4月7日時事通信
国民民主党の玉木雄一郎代表は7日の記者会見で、消費税率一律5%を目指す党政策を見直す考えを表明した。
2026年春闘の賃上げ率が物価上昇率を一定程度上回るとの見通しを示した上で、
「(政策を)最新のものに見直していく」と述べた。
具体的な方向性や時期は示さなかった。
国民民主は、賃金上昇率が物価上昇率を安定的に2%上回るまで、
消費税率を一律5%に引き下げることを主張してきた。
玉木氏は「デフレから適度なインフレにしていこうと言い続けてきたが、
最新の経済状況を踏まえたものに見直す時期に差し掛かっている」と語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026040700497&g=pol
もともと国民民主党は、消費税減税は物価対策というより景気対策だと言ってきた
それはつまり、消費税減税しても簡単には物価は下がらないということを認識して、
でも消費税減税すれば企業にとっては賃上げしやすくなるから、
景気対策として有効だということ
これ自体は正しい認識なんだけど、
玉木さん的には、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回っているなら、消費税減税は不要だと
そして、今そうなってるから、もう消費税減税は不要だということ
それが正しいのかどうかという話だが、
4月7日の玉木さんのポスト
国民民主党は2020年の結党以来、名目賃金上昇率が5%程度(物価上昇率+2%)になるまで、積極財政と金融緩和による「高圧経済」で賃金デフレを脱却する政策を訴えてきました。
4月3日に発表された連合の2026春闘第3回集計で5.09%(中小5.00%)と、3年連続で5%を超えたことを受け、これまで訴えてきた経済政策の見直しの必要性について検証作業に着手します。
経済は生き物です。
その時々の経済状況に合わせた最適の経済政策を打ち出していくことが必要です。特に、これからは「金利のある」「インフレ」時代に対応した経済政策を進めることが重要です。
https://x.com/tamakiyuichiro/status/2041384345769046370
ここで一番のツッコミどころは、国民民主党の公約とか、この玉木さんのポストの本文でも、ターゲットは名目賃金上昇率とハッキリ書いてるのに、
その次の文章では、連合の2026春闘第3回集計で5.09%(中小5.00%)と、3年連続で5%を超えた
ということで、なぜか春闘の結果を持ち出してる
名目賃金って、厚労省が出してる毎月勤労統計の現金給与総額から算出されるものだけど、
その統計だと5%も上がってない
春闘の結果だけなら3年連続で5%超えたけど、本当の名目賃金上昇率だと去年も2.3%だし
しかも名目賃金は上がっても、それ以上に物価が上がってるから、実質賃金は去年もマイナス
今年に入って、ようやくプラスになってきたとこ
この状況で、もう物価上昇を上回る賃金上昇は達成されてるから減税は不要っていうのは、かなり現状認識がおかしいのではないか
だいたい春闘って労働組合の連合がやるものだけど、連合に加わってる労働者って全労働者の13%くらいしかいない
だいたいは大企業だし、中小企業って言っても労働組合がしっかり機能してるようなところだけ
そして公約でも名目賃金上昇率が物価上昇を上回るまでと言ってるのに、
厚労省の統計から出される本当の名目賃金上昇率じゃなくて、
自分たちの支持母体である連合の春闘の結果を基準にしてるっていうのは、単純に嘘ですよね
これは去年も玉木さん同じようなことを言ってて、国民民主党の支持者からも、それはおかしいってツッコまれてたところ
国民民主党の支持者も、この部分はおかしいと思ってる人が多いんじゃないか
■そして玉木さんは、金利上昇についてもかなり危機感を持ってるらしい
4月6日のポスト
【10年債の金利が2.4%を超えた】
ブランシャール教授も、名目GDP成長率が名目長期金利より大きい、すなわちgrが満たされる限りにおいて、プライマリーバランスの赤字は許容されると述べた。
仮に10年債の金利がさらに上昇を続けると、平均金利も上がり続ける。
高い成長率が達成できれば債務残高対GDP比率は低下するが、スタグフレーションに陥れば高い成長率は望めない。
長期金利が経済成長率より大きいgrの下でのプライマリーバランス赤字は、債務残高対GDP比率を上昇させてしまう。
イラン情勢の悪化による物価高、金利高、スタグフレーション懸念は、従来型の積極財政を進めることを明らかに難しくしている。
https://x.com/tamakiyuichiro/status/2041157017344336032
イラン情勢で物価高になって、日本の国債金利も上がってますよね
で、この前日本に来た世界的な経済学者のオリビエブランシャールって人が、
名目GDP成長率が名目長期金利より大きい、すなわちgrが満たされる場合においては、政府が赤字になってもいい
赤字になって借金が増えても、それ以上に経済成長してれば税収も増えるんだから、
政府の債務残高対GDP比は圧縮されるから問題ないって理屈
でもここで金利がかなり上がってきたので、
それを上回る成長が難しくなってきてるんじゃないか
だからさらなる金利上昇を防ぐために、積極財政を改めて財政健全化路線に行くべきじゃないか
そういう事をいってる
これに対して、もともと積極財政に反対だった緊縮財政派の人たちも、
ようやく玉木が正気になった、今まで国民民主とかが減税減税言ってきたせいで、日本政府の債務が拡大して金利上がっちゃってんだろうがと、
そういう感じになってる
これで国民民主党は、もう減税路線はやめて、次はエネルギーコスト低減に取り組んでいくらしい
でもエネルギーコストって、どうやるの?
効率化のためにも設備投資が必要だけど、政府が緊縮路線なのに民間に投資してもらうって、どうやるの?
民間に投資してもらうために金利下げようって言うなら、政府の投資も増やせるんじゃないの?
金利が上がってるから政府投資を増やせないのに、民間投資は増やしてエネルギーコスト下げろって無理じゃない?
という自己矛盾に陥ってるようにみえる
■それで国民民主党が減税路線をやめて財政健全化に向かう中で、参政党は相変わらず積極財政路線
どっちが正しいのかという話だが、
4月9日もまさに財政金融委員会で塩入清香さんと松田学さんが質問に立ってたけど、
さやさんの質問で、いま金利が上がってるのは、これまでアベノミクスで債務増やしすぎたせいだとか、高市さんが施政方針演説で積極財政を謳ったからだとか言われてるが、それはどう思いますか?という質問で、
片山大臣は、今の金利上昇は明らかにイラン情勢の影響が大きいと、G7会合でも共通認識になっている
で本年度予算は2年連続で国債発行学が30兆円未満で、国債依存度は下がっているし、
28年ぶりのプライマリーバランス黒字化達成
そういう状況を考えれば、今回も沈静化に向かうだろうと考えていると
つまり、必ずしも国債増発だけが金利上昇の原因ではないということ
日本の金利は上がってるけど、アメリカの金利はもっと上がってるし、物価上昇も世界的な傾向だし、
それにあわせて日銀は利上げの方向になってるし、
だから積極財政のせいで金利が上がってるなんて、そんな単純な話ではない
ただもっと根本的にいえば、そもそも積極財政って金利を上げるためにするもの
なんで今までずっと低金利政策をやってたかというと、景気が悪いから
景気が悪いから金利を下げて、お金を借りやすくして、流動性を高めて景気よくしようって話だった
それで金利下げるだけじゃ不十分だから、政府がどんどん支出することでお金を回して景気刺激しようってのが積極財政
それでお金が回って景気がよくなったら、低金利政策を維持する必要はないから、金利は上がる
だから金利が上がることそのものが悪いことだみたいにいうのも、まあおかしな話
問題は、今は金利をあげても大丈夫な局面なのかどうか
片山大臣もいったように、今の金利上昇。物価上昇は明らかにイラン情勢の影響で、原油とかガスとか肥料とかの供給制約によるもの
供給制約による金利上昇。物価上昇への対応策が、緊縮財政っておかしくないですか?
円安インフレ金利上昇って、ぜんぶ連動してる似たようなものなんだけど、
それに対する対応策が、政府は緊縮財政、日銀は利上げってどういう事?
緊縮財政とか利上げっていうのは、需要側を叩く政策
供給制約で円安インフレ金利上昇が起きてるのに、それに対する対応で緊縮財政ということは、
供給不足を上回る勢いで需要側を破壊するってこと
インフレは需要に対して供給が足りない状態だから、供給が足りなくても、それ以上に需要が少なければインフレは確かに収まる
でも、国民はそれを望んでるんですか?
国民生活を考えたら、供給制約に対する対応は供給力アップ一択であって、
玉木さんがいってるエネルギーコスト低減についても、分散調達とか、中東以外の原油にも対応できるような精製設備の強化とか、あとは省エネ技術の促進とか、結局ぜんぶ新たな投資を必要とするものであって、それは必然的に景気刺激にもなる
だから供給制約はピンチだけど、反転してチャンスにも成り得る
でもそのピンチをチャンスにするには、政府が一番にリスクと赤字を引き受けて、民間のリスクと赤字を軽減しないと、民間の投資はおこってこない
そういう事を考えたら、そもそも政府の債務対GDP比にこだわり続けることに、合理性ないよね
玉木さんは、ここぞというところで必ず選択を間違える男って言われてきたけど、
それが今回も発動されちゃったんじゃないか
国民民主党に期待してた支持者も、これについていけるのか
党にとっても致命的な方向転換にならないといいなという感じ
#国民民主党
#消費税
#積極財政

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