国民民主党 玉木雄一郎代表 「山尾はクビ」「山尾しおりを公認候補予定者から公認に移行しない理由について」「有権者や全国の仲間、支援者などから十分な理解が得られない」
この決定は、党の参院選戦略やイメージ回復に向けた苦渋の選択と位置付けられるが、執行部の意思決定プロセスへの批判も高まっている。
山尾氏の公認内定は5月14日の両院議員総会で決定された。玉木代表は、山尾氏の憲法改正議論や人権外交における高い政策能力を評価し、参院選での比例代表候補として擁立を推し進めた。しかし、山尾氏には2017年に報じられた不倫疑惑、ガソリン代の不正請求疑惑、議員パスの私的利用疑惑など、過去のスキャンダルが影を落としていた。これらの問題に対し、山尾氏は6月10日の記者会見で「当時の行動は未熟だった」と謝罪したが、不倫疑惑を否定しつつ具体的な説明を避けた。この会見は党内外で「説明不足」と批判され、逆に反発を強める結果となった。X上では「山尾氏の公認は党のイメージダウン」との声が広がり、支持者や党員からも公認取り消しを求める意見が噴出した。
国民民主党は、2024年の衆院選で比例票617万票を獲得し躍進したが、参院選での目標は比例1200万票と意欲的だ。しかし、山尾氏の擁立発表後、世論調査で支持率が下落。朝日新聞の5月調査では8％（前月比4％減）、読売新聞でも11％（2％減）と低迷が顕著だった。党内では、山尾氏の公認が「党の信頼を損なう」との懸念が強く、9日の全国幹事長会議で全47都道府県連から公認見送りの要望が出された。一部議員は「弁明の機会を与えるべき」と主張したが、会見後の批判の高まりを受け、執行部は公認見送りを決定。玉木代表は「一丸となって戦う態勢を整える」と説明したが、党内外からは「当初の擁立判断が誤りだった」との声が上がる。
この騒動は、国民民主党のガバナンスや候補者選定プロセスの不備を露呈した。玉木代表は山尾氏の能力に期待したが、過去の疑惑や党方針との不一致（例：女系天皇容認発言）を軽視したとの批判が強い。榛葉幹事長の「政党は幕の内弁当」との多様性重視の発言も、党の統一感欠如を印象付けた。Xでは「玉木氏は山尾氏を庇いすぎ」との投稿や、「公認取り消しは起死回生の一手」との評価が混在。立憲民主党の幹部も「執行部の意思決定に疑問」と指摘し、党の信頼回復が急務となっている。
山尾氏は公認見送りを受け、離党届を提出し「党の判断に不満」と表明。党内では、玉木代表と榛葉幹事長の責任を問う声も出ている。国民民主党は参院選で議席拡大を目指す中、候補者選定の透明性向上や政策での求心力強化が課題だ。支持率回復には、執行部のリーダーシップと明確なビジョンが不可欠だが、山尾氏を巡る混乱は党の結束に影を落とす。公認見送りは支持者への一定の配慮を示したものの、党の再生にはさらなる努力が必要
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