【国民民主党 福田とおる】予算委員会「病院支援策」「診療科偏在」「診療報酬・薬価改定」(2025年12月10日)

【国民民主党 福田とおる】予算委員会「病院支援策」「診療科偏在」「診療報酬・薬価改定」(2025年12月10日)
令和7年 12月10日
予算委員会 福田とおる(愛知16区)

「補正予算の病院支援策」
「来年度の診療報酬改定」
「外科医不足・診療科偏在対策」
「創薬を支える薬価改定」

以下、本質疑の原稿全文を掲載します。(実際の質疑と差異がございます)
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 国民民主党 福田徹です。私は救命救急センターの救急医として働いてきました。今でも私の天命は、1対1、目の前のつ1の命を救うことだと思っています。
 今、毎日、人前で「衆議院議員の福田徹です」とご挨拶をさせていただいていますが、実は今も小さな違和感を感じています。
 今でも自分の仕事は政治家ではなく、救急医 福田徹が、政治という道具を使って命を救う。そういう仕事だと思っています。
 今日の質疑はすべて国民の命と命のために働く仲間のためのものです。どうかよろしくお願いします。
 私は、現役世代の負担を抑えながら世界一の日本の医療と命を守る。価値の大きい医療とそうでない医療を科学的根拠に基づいて見分けて、価値の大きい医療に集中投資する。
 これを最も重要な政策として掲げています。はじめに、補正予算案にあります、経営危機にある医療機関を救うための支援についてお聞きします。
 今、特に救命救急やがん治療を行う国民にとってなくてはならない病院が存続の危機に瀕しています。私、まず高市総理に御礼を申し上げたいと思います。
 病院への支援にあたり、救急車受入件数に応じて加算の額が増える仕組みを作ってくださいました。
 私はこれに大賛成です。総理が所信表明で「診療報酬改定を待たず、補助金を措置します」とおっしゃってくださった時、「ヨシッ」と思いました。
 私に期待してくださっている急性期病院の経営者や勤務医達も本当に喜んでいました。
 一方で、同時に、地域で求められている本当に大切な医療を提供している病院を救うためにはどのような補助金の分配ルールが適切なのか考えなければいけないと感じました。
 限られた財源ですべての医療機関に同じように届けたら、薄まってしまい意味がなくなってしまいます。
 そして今日、この場で、政府案に対して「こんな評価の方がもっといいです」と提案するために、いくつもの複雑な評価方法を考えていました。
 そうしたら、出てきた政府案が「救急車受入件数」という最もシンプルかつ現場の頑張りをストレートに評価できる評価方法でした。私は素直に素晴らしいと感じましたし、嬉しく思っています。
 総理にお尋ねします。病院への補助金の額を決めるにあたって救急車受入件数を指標にされた理由はなぜでしょうか?

 今、頑張っている病院が苦しい。本当に大切な医療はやればやるほど赤字になる。
 今回の支援はそんな現場の声とデータに応えてくださるものだと評価させていただいています。
 一方で、今回の支援は、大出血している病院への救急処置。一時的な止血です。
 これからも国民に大切な医療を届けるためには、大切な医療を提供できる病院を治療し、元気にして、さらによりよく育てる必要があります。そのためには日常の診療に対する評価、診療報酬改定が大切です。
 総理にお尋ねします。次の診療報酬改定も、どうかこの補正予算での支援の評価と同様に、救命救急、がん治療、小児・周産期といった価値の大きい大切な医療を頑張る病院、医療者を支えていただけませんか。
 総理は12/8の本会議で「地域で必要な医療を確保していく」と答弁されました。まさにこれが「地域で必要な医療」です。
 こういった医療に対して診療報酬を上げるよう指示を出していただけませんでしょうか?

 医療は、病院という箱だけではできません。中で働く優れた医療者が必要です。その中でも、外科医不足、特に消化器外科医不足の問題について質疑させていただきます。
 ここ20年間医師数は増加傾向ですが、消化器外科医のみ激減しています。仕事がハードで責任が重く報酬が見合わないのは明らかです。
 日本消化器外科学会のデータによると、2023年と比較して20年後の2043年に、65歳以下の会員数は16,000人から8,000人と約半分になると見込まれています。
 このままでは間違いなく国民に大きな不利益が起こります。具体的には、がんと診断されても手術が受けられなくなります。
 腸に穴が空いたとか、腸が捻れてしまったなど、緊急手術が必要な状態でも手術が受けられなくなります。
 お尋ねします。消化器外科医不足の問題を認識していらっしゃいますでしょうか? この問題に対してどのような対策を検討されていますでしょうか?

 私から、いやそれだけではない、日本中の外科医から、2つお願いさせてください。これは消化器外科学会はじめ現場の声です。
 1つは外科手術に対するインセンティブ報酬を上げて下さい。もうつ1はがんの手術をはじめ高度な手術を行う施設を集約化して下さい。
 1つ目のインセンティブについてです。2023年消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会が行ったアンケートで、「現在の勤務状況で最も不満に思う点は?」という質問に対する、最も多い回答は「給与」で44%が答えています。
 明らかにハード、昼も夜もない、命の重たい責任がかかる。この仕事が今ほどの報酬でできることではないことは多くの人に共感されると思います。
 2つ目、集約化についてです。外科医は一人前になるまでに時間がかかります。ロボット手術など医療の高度化でどんどん時間がかかるようになっています。
 症例数が少ない病院を転々としていてはいつまでたっても一人前になれません。
 高度な外科手術は一定の地域の中で一ヶ所に集めて、トレーニング中の外科医も集めて、そこで沢山の手術を行うことで早く一人前の外科医を誕生させることができます。
 まさに「人づくりこそ国づくり」。人間の能力を高める政治です。集約化の恩恵は外科医だけではありません。
 高度な手術は、医療機関あたりの年間症例数が増えれば増えるほど治療成績が良くなることが分かっています。こちらのグラフは胃切除術における症例数と術後死亡率の関係を示したものです。
 年間10例以下と50例以上では死亡率は4割ほど下がります。これこそが命を守る政治です。
 あらためて高市総理にお尋ねします。外科医を守るために、外科医を育てるために、そして国民の命を守るために、外科手術に対する診療報酬での評価と高度手術を行う施設の集約化をご指示いただけませんでしょうか?

 次に薬価改定についてお聞きします。総理。病院があっても、医師がいても、薬がなければ医療はありません。
 私は高市総理の基本理念が大好きです。「日本を守り抜きます!」この理念は「命を守り抜く!」と生きてきた私は強く共感できます。
 それであれば、「日本を守り抜く」ためには、大切な薬を日本で創り、大切な薬を確実に国民に届ける。それが必要だと思います。今、日本で薬は大変なことになっています。
 抗生剤や麻酔薬といった本当に基本的な薬が手に入らなくなっています。そしてドラッグロスです。海外ではすでに承認・使用されている効果の大きい薬が日本では使えなくなっています。
 日本では国の定める薬の値段「薬価」が低すぎて、市場として魅力がないので入ってきません。既に我が国では救えるはずの命が救えなくなっているということです。
 上野厚労大臣にお尋ねします。令和6年厚生労働科学特別研究事業「ドラッグロスの実態調査と解決手段の構築」には
 グループA「開発の必要性が特に高い医薬品」(14品目)グループB「開発の必要性が高い医薬品」(41品目)がそれぞれ何品目あると判断されているか教えて下さい。
 そしてどのような解決手段を示しているか教えて下さい。

 全ての高額の薬を保険収載とはすべきとは全く思いません。でも明らかに効果が大きい、命を救える薬があるのであれば、それを使える日本であってほしいのです。
 効果のない医療に医療費を使うことは止めましょう。効果の大きい医療に医療費を使いましょう。
 高市総理は関節リウマチの治療を受けられていることを公表されています。私の祖母の世代までは関節リウマチは治療が難しい病気でした。
 関節と骨の破壊で指が変形した患者さんが多くいました。関節リウマチの治療の歴史はまさにイノベーションの歴史です。
 ステロイドと鎮痛薬だけの時代から、メトトレキサートの効果が確認され、関節や骨の破壊が起こらなくなりました。
 それでも治療が難しい患者さんがいましたが、さらにインフリキシマブなどの生物学的製剤が開発され、JAK阻害薬が開発され、今ではほとんどの方が痛みや変形から解放されています。
 生物学的製剤が開発された時、誰もが高額な医療費に驚きました。でも今その薬の価値に疑問を呈する人は一人もいません。率直に申し上げます。
 素晴らしい薬を開発するにはお金が必要です。つ1の薬を開発するのに3000億円かかると言われています。
 最後の質問です。効果の大きい薬を作ろう。効果の大きい薬で日本人の命を救おう。
 いやそれだけではありません。効果の大きい薬で世界中の命を救おう。
 そんな製薬企業を守り育てるために。大切な薬を薬価で高く評価するとご指示いただけませんでしょうか?

 「日本を守り抜くために」私も一緒に働きます。心を込めて働きます。
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動画は「衆議院インターネット審議中継」より引用
https://www.shugiintv.go.jp/jp/

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